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田口 哲也 / 冷凍食品新聞社
定価: ¥ 2,669
暑い夏の日に、氷入りの冷たい飲み物は何物にもかえられない清涼感を与えてくれる。今や人間の生活から切り離せなくなった「氷」と、人間とのつき合いの歴史をたどる。
※主に外面(カバーや裁断面)ですが、うす汚れやコスレなどの使用感があります。カバー表面に1ヵ所、小さな穴をふくむほころびがあります。紙面はいたってきれいです。
■目次
はじめに
第1章 太陰の精―氷雪利用の起源
(1)古代中国の冷蔵庫
二千年前に中国に巨大氷室があった/古代中国のアイスピック/冷蔵貯蔵庫・氷井台/氷鑑・アイスボックスもあった/臥薪嘗胆・呉越同舟
(2)周の凌人・氷を掌る
宮廷職員の六割は飲食関係の仕事に従事/蔵氷・賜氷に九四人が奉職/氷をとんとんと切り出す/司寒の神を祭る/春秋左氏伝・蔵氷の記録/肉食の禄
(3)水晶になりそこなった氷
陰と陽が支配する世界/春には春礼を発すべし/陰陽五行説/太陰の精/水晶とガラスの起源/氷から火を得る話
(4)中国の氷祭り今昔
史記の氷まつり/春夏秋冬/正月孟春氷を解かす/仲春の二月は結婚シーズン/季春三月は氷室を開く/夏に氷を頒つ/秋から冬への氷の行事/タービン・打氷
(5)貴公子たちの氷水
氷は豊富に市中に流れていた/杜甫も氷水を歌った/氷漿とは氷水/茶道と変わり茶/氷盞と氷箱/酸梅湯と蓮の実粥
第2章 アイスロード―氷のたどった道
(1)朝鮮のソクビンゴ
少ない朝鮮の氷利用文献/古代高麗の頒氷制度/李朝時代の氷庫/サハンジェ・司寒の祭り/ビンプジョソ・氷夫田制度/リュドゥナル・流頭日の氷団子/暑気払いのオンザロック/欧州の氷室と酒蔵/夏と冬の氷合戦/アレキサンダー大王の氷穴作戦/究極の氷水ドルチェビータ/ヘリオガバルスの夏の饗宴/力ルメンは氷水屋の占い師/ワインは冷水で薄めて飲むもの
(2)シルクロードの氷果
甘みの起源/アラビアンナイトのシャルバート/フビライが愛飲した舎里八/氷人マルコポーロ/人工的冷却法の発明/メディチ家菓子職人のヒット作/今でも残っているシルクロードの氷水
第3章 氷の朔日―日本の氷ぼなし その1
(1)六月一日は何の日か?
二度目のお正月/富士参りと氷餅/炎暑に大雪降る/はやり正月/氷の朔日はいつから始まったのか/民間習俗の逆輸入の行事
(2)氷室発見の謎
奈良つげの氷室/鬪鶏稲置の降格事件/長屋王のオンザロック/氷室木簡の意味
(3)供御の氷は年間80トン
主水司は氷と水の役所/水部と水戸が氷室の実働部隊/1年間に氷80トンを利用/氷様は古代の気象予測/氷の神を祭る
(4)奈良氷室神社を訪ねる
氷室と氷池の分布/現在地区を推定する/都祁氷室神社を訪問/不凍の言い訳状/笹に覆われた今も残る氷室の跡/都祁村から春日神社に向かう/東大寺山堺四至図
第4章 けづりひ―日本の氷ばなし その2
(1)宮廷の優雅な氷の宴
元祖かき氷・枕草子/夏の氷が名脇役・源氏物語/釣殿の納涼/栄花物語/ああ!氷をもらえた時代が懐かしい/空白期間
(2)お氷さまのお通り
氷は江戸へ/加賀藩の献上氷/玉泉院丸の氷室と氷室鰻頭/加賀様お雪献上/狩谷液斎説による元祖コールドチェーン
(3)庶民が味わった江戸時代の氷水
北越雪譜の削氷/三銭の氷売り・塩沢/俳諧職業尽の氷売りの図
第5章 氷を活かす―純氷の世界
(1)アイスマンの登場
ボストン氷を売る/機械氷は神を冒層するもの
(2)氷に夢を賭けた男―中川嘉兵衛
一箱で黄金三両した氷/失敗の連続で借金の山/五稜郭氷がボストン氷を駆逐/全国は氷ブームに沸く/東の中川・西の龍紋
(3)機械製氷の歴史
熱病の福沢諭吉を氷が救った/天然氷と機械氷との激烈な競争/製氷会社の統合合併/戦後の製氷冷蔵業の発達/家庭用冷蔵庫の時代
(4)かちわり氷の人気の秘密
おいしい袋詰めの砕氷/カチ割り氷/コンビニは氷屋から始まった
(5)氷・トピックス
大ヒットアイスキャンデー/アイスクーポン・氷券/ビールと氷室/氷と風呂屋/氷蓄熱で都市を冷房する/純氷を売る/南極の氷は環境のバロメーター
われ氷をアイス―あとがきにかえて(著者:田口哲也)
【管理用】
1148T2392
氷の文化史 人と氷とのふれあいの歴史 田口哲也/著